ネコブセンチュウ | 線虫・ネマ |
センチュウの仲間。成虫・幼虫が食害する。 サツマイモネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウなど数種類がいる。 虫は土の中にいる。幼虫は体長1mm以下の細長い糸クズのような虫で、気づくことはない。 成虫はピンセットで根のコブを注意深く分解すると見つかる。白色半透明の2mmくらいの水滴のような虫で、全体が丸く、小さく細い尻尾がある。 |
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被害 根にコブを作って根が水を吸い上げるのを妨げるので、昼間に茎葉が萎れ、夜間に回復する。この被害は高温の夏にひどく、最後は株が弱って枯死する。 病害と間違いやすいが、根を掘るとコブがあるので区別できる。 |
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生態 土の中で春から秋まで3〜4回発生する。 砂地や火山灰土など、水はけのよい土で多い。 ナス、トマト、サツマイモなど、様々な野菜で発生するが、ウリ類で増えやすい。 @ウリ科、ナス科、アブラナ科、根菜類など多くの作物に寄生する。 A一般に砂地や火山灰土など排水の良い土壌の作土層に発生しやすいが、発生密度が高まると粘質土壌や、深さ30〜40センチまで 発生する。 Bサツマイモネコブセンチュウの増殖適温は25〜30℃であるが、地温が10〜15℃以上になると活動を始める。 C冬季の露地状態では、卵あるいは作物に寄生した成虫や幼虫で越冬し、春から秋にかけて増殖するがハウス内では周年発生する D卵から雌成虫の1世代のサイクルは約30日で、年間数世代を繰り返す。一頭の雌成虫の産卵数は500個前後である。 E卵から孵化した幼虫は根の先端付近から組織中に侵入し、3回の脱皮を経て雌成虫は洋ナシ型、雄成虫はウナギ型になって土壌中に脱出する。 |
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防除 土を耕す前にネマトリン粒剤、バイデートL粒剤、ボルテージ粒剤などを散布し、深く耕して土の中に薬剤を行き渡らせる。 コブトリソウ(クロタラリア)、マリーゴールド、ソルゴー、イネなどを植えてセンチュウを減らす。 @発生した根のゴール(根コブ)はできる限りハウス外へ持ち出す。 A堆肥の施用は天敵生物の増殖を促すので、積極的に施用する。 B夏季に土壌還元消毒法、太陽熱土壌消毒を実施する。土壌消毒剤で防除を行う場合、根の組織内(ゴール)にセンチュウがいる場合は農薬の効果が低下する。また土壌消毒を行った後の深耕は避ける。 C対抗植物の利用 クロタラリア: コブトリソウ、ネマキングなど ギニアグラス: ナツカゼ、ソイルクリーンなど |
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施設栽培で線虫密度が高まる理由 @果菜類・葉菜類の連作及びハウスが固定されている。 A支柱の回り、枕地に薬液が届かず土壌消毒の効果が十分でない。 B施設では地温が高く線虫の増殖が速い。 C良質堆肥の投入不足。良質堆肥は線虫の天敵微生物が増殖する。 |
2010_10_30撮影 ネコブセンチュウにやられたもので、これほどひどいものは滅多にない。 台木はゆうゆう黒 こんな状態でも直前まで収穫はしていた。 |
平成23年 群馬県板倉町 水を大量にやっていればなんとか持ちこたえる |