斑点細菌病
全生育期間を通じて発生する。子葉では、水浸状、円形、淡褐色のくぼんだ斑点を葉縁や中央部に形成する。

 本葉では、水浸状の小斑点を生じ、次第に拡大して、黄褐色の葉脈で囲まれた角型病斑になる。斑点部は灰白色に変わり、組織が薄く破れやすくなる。

 果実には、暗褐色のくぼんだ斑点を生じ、その内側に亀裂ができて、やにを分泌して軟化、腐敗する。

 葉柄や茎では、暗緑色水浸状に腐敗し、病斑部より先の部分は萎凋、枯死する。
 多湿条件下では、病斑は灰緑色水浸状となり、乳白色の細菌泥を分泌する。

病原:細菌 シュードモナス シリンゲ pv.ラクリマンス
 各種ウリ科作物を侵す。

 病原細菌は土壌中の被害作物残さ、保菌種子などの中で長期間生存し、第一次伝染源となる。いったん発病すると、その後は病斑部で増殖した病原細菌が空気伝染して発病する。

特に降雨や結露による飛沫で伝染する。

 湿度90%以上で、低温から35℃まで発病し、発病適温は25〜27℃である。


 
いったん発生を見ると、防除が極めて困難な病害なので、初期発生株の除去を入念に行う。

 施設栽培では、冬期、結露による水滴を生じやすいので、内張りカーテンを設置し、間断送風を行ったり、温度設定を高めにする、潅水チューブをマルチ下に設置するなど、湿度を高くしない配慮が肝要である。

露地栽培では、雨よけを行い、高畝にして排水に努める。

 潅水は必要最小限に止め、適正な肥培管理を行って、過繁茂にならぬように注意する。

 薬剤防除:防除薬剤としては、下記のように、数多くの登録薬剤があり、その多くはほかの茎葉病害との同時防除が可能な剤である。

種子から発病すると、子葉の縁が水浸状となり
くぼんだ斑点となる。
本葉では、小葉脈に囲まれて角ばった淡褐色の小斑点ができ、古くなると白っぽくなって組織が破れやすくなる。
果実では、直径3〜5mmの少しくぼんだ水浸状の斑点となり、のちに褐色から濃緑色となり、亀裂を生じて白色または飴色のヤニを分泌する。
果実は、病斑部を起点にして曲がり果となる。

類似する障害
リン酸欠乏、曲がり果

診断のポイント
葉では、葉脈に囲まれて角ばった小斑点を作り、古くなるとその部分が破れやすくなる。果実の葉裏の病斑部に白色または飴色のヤニを分泌し軟化腐敗する。病斑を湿潤状態におくと、乳白色の液を分泌する。
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